絵本・ファンタジー

こんにちは。

イーハトーヴのくすり箱・管理人のネリです。

 

本日は「新・絵本はこころの処方箋~絵本セラピーってなんだろう?」(瑞雲舎)をご紹介したいと思います。

 

絵本はこころの処方箋・岡田達信

出典:Amazon

 

こちらは、私もお世話になっている「絵本セラピスト協会」の代表・岡田達信さん…通称・たっちゃんの最新刊。

 

「絵本はこころの処方箋」…なんて魅力的なタイトルなんでしょう!

 

もともと絵本が大好きだったネリですが、薬剤師という職業からも、「これは見逃せない!」と興奮しながら読んだことを今でも覚えています。

 

時を経て、たくさんの絵本セラピストさんの実践成果で更に骨太となった今回の新刊…!これを読むと、きっと絵本を手に取りたくなるはず!!

 

さぁ、あなたも!

「Shall we EHON?」(*’ω’*)ノ♪

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岡田達信(著者・絵本セラピスト協会代表)プロフィール

この本の著者であり、絵本セラピー考案者・絵本セラピスト協会代表の「たっちゃん」こと岡田達信さん。実は「一級建築士」でもあります。

 

工学部の建築系に進学・卒業し、最初は住宅建築の技術者として社会人デビューされているんですね。

 

とても意外ですが、この「理系男子」ならではの冷静な分析や視点によって、「絵本セラピー」は単なる「セラピーごっこ」ではなく、しっかりと確立されたメソッドにまで引き上げられているように思います。

 

絵本に目覚めたのは子育てがきっかけとのこと。子どもに読もうと思って手に取った絵本の魅力に気付き、「読み聞かせの研究」をきっかけに、絵本コレクターへの道を邁進されます。

 

そんな中、ある絵本との出会いによって、岡田達信さんの運命は変わります。

 

それが「ステキな3人組み(トミー・アンゲラー)」

 

すてきな三にんぐみ

出典:Amazon

 

しっかりものでも肝をつぶす、こわーい大泥棒の三人組…だけど一人の少女との出会いによって、思いもかけない展開に!?1969年に発売されて以来、ずっと読み継がれているロングセラー絵本ですね~。

 

この絵本の「あるひと言」がメッセージとして岡田達信さんの中で響き、これまた思いもかけない展開を迎えます。

 

この辺りは是非、「新・絵本はこころの処方箋」で直接読んでほしいところ!人はこうして絵本で人生が変わるんだ(もちろん良い方向に)…と、ちょっと心が震えてしまいます。

 

絵本をキッカケに、人材育成業務に舵を切った岡田達信さんは、研修の中でもお得意の絵本を取り入れるんですね。その中で、同じ絵本でも人によって捉え方や感想・解釈がバラバラであることに気付きます。

 

この気付きが基になって、絵本を使ったワークショップ・「絵本セラピー」は誕生したそうです。

 

一風変わったこの「絵本セラピー」はまたたく間に評判に!開催リクエストややり方を知りたい人が増えていき、気付いたら絵本が本業になってしまったしまったんだとか…。

 

ちゃんと人は在るべき場所にたどり着くようになっていますね(*^ω^*)

 

絵本のコレクターから始まり、絵本の伝道師、絵本ソムリエとなった岡田さんは、2009年に絵本セラピスト協会を設立。

 

2018年には韓国版の出版、2019年にはスイスとオーストラリアでも絵本セラピーの講演会が開かれるなど、たくさんの仲間と共に絵本を通じて人が繋がる活動を全国…そして全世界に広げていっておられます。

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絵本セラピー・絵本セラピストってなに?

さて、この気になる「絵本セラピー」というシロモノ‥いったいどんなものなんでしょう?

 

結論から言いますと、

絵本セラピー®とは、絵本の力を借りて、ありのままの自分で交流できる安心安全な「場」を作る技術です。

出典:絵本セラピスト協会

…です。ちょっとイメージが掴みにくいですかね?

 

子どもに向けて作られた絵本は「具体的過ぎず、抽象的過ぎず」という良い塩梅のため、大人が読むと様々な解釈が生まれます。

 

本書の中でも岡田さんが体験された様々なできごとが紹介されています。特に「ぐるんぱのようちえん」における感想・解釈の違いが面白かったですよ。

 

会社経営社長の「ぐるんぱには顧客視点が抜けている!」というご意見(笑)は、その立ち位置の人でないとなかなか見えてこない視点です( ̄ω ̄;)

 

こんな風に、大人が絵本を読むと自分の中にあるもの(知識や経験、価値観など)が投影され、結構セキララにあふれ出てくるんです。

 

岡田さんは「絵本は心の鏡」と仰っていますが、まさしくその通りですね。

 

こうして現れ出た「自分の心」を、他の人と一緒にシェアし認め合うことで、自分を再発見したり自己肯定感に繋がっていく…それが「絵本セラピー」の魅力です。

 

つながり

 

「みんな違って、みんないい」…多様性(ダイバーシティ)の重要性は最近富みに言われていますが、素直に認め合うことには時に大きな困難を感じます。だけど、絵本を使うとそのハードルが大きく下がりそう!

 

絵本セラピスト協会は「絵本でいつのまにか世界平和」を掲げていますが、結構本気で、いつのまにか実現しているんじゃないかな…と、ネリは思っています。

 

ちなみに、絵本セラピーを行うのに資格は要りません。絵本セラピーのやり方自体は、岡田達信さんの著書「絵本はこころの架け橋」で全て公開されています。

 

絵本はこころの架け橋・岡田達信

出典:Amazon

 

だけど個人的にはやっぱり、「絵本セラピスト協会」が開催する「絵本セラピスト養成講座」を受けることをオススメしたいなぁ‥(*^^*)

 

絵本セラピストは、単に「絵本セラピーを行う人」ではないんです。絵本セラピーという技術を使って、年齢・性別・立場・価値観・文化などの違う人たちをつないでいく人たち…それこそが「絵本セラピスト」!「絵本でいつのまにか世界平和」を目指し、社会に貢献する「生き方」なんですね。

 

まぁ正直、お値段は結構かかるし(受講料は130,000(+消費税)円/2021年4月現在)、認定を取ったからといって仕事やお金に繋がるワケではないんですが…。

 

だけど、絵本の背景にある多種多様な知識が短期間で得られるのは大きな魅力!講師陣の絵本に対する想いがぎゅっと詰まっており、かなり濃厚な内容で、リピーターが多いのも頷けます。

 

そして何より、「絵本が好き!」で繋がった仲間は、一生ものの財産になると思います。

 

絵本セラピスト協会は学びながら成長し続ける仲間のコミュニティです。

出典:絵本セラピスト協会

 

あくまでネリ自身の主観なんですが、絵本セラピーを通じて知り合った人たちは「利他的」な人が多いです。(セラピスト活動の有無関係なく。)人の幸せや成長を本気で願う優しい人たちが、びっくりするほど集まっています。

 

この場自体が「安心安全な『場』」なんですね。

 

これもまた、絵本の持つ「魔法の力」の一部なのかもしれません。

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大人と子ども‥こんなに違う!絵本の読み方

このように自分の知識や経験を投影して読む大人の絵本…ちなみに、本来の対象者である子どもたちはどのように受け止めているのでしょうか?

 

実は子ども(特に字が読めない小さな子ども)にとって、読み聞かせは本に描かれた世界の疑似体験です。読み聞かせをしてもらっている子どもの脳内では、感情や情緒に関わる大脳辺縁系が活動しているといいます。(出典:読み聞かせは心の脳に届く/泰羅雅登

 

これは「絵本を読む」ではなく「絵本の中で、五感を使って『体験』をしている」状態と言えます。

 

スーパーボーイ

 

絵本を読み終わった時に、子どもが「もう1回!」というのは、「その絵本の中での体験が楽しかった!もっとしたい!」をいう読み手への最高の賞賛でもあるのです。

 

この情報は、子育ての中で出会えて本当に良かった!( 。゚Д゚。)

 

今は読み聞かせの効果・効能の科学的エビデンスも数多く出てきています。「子どもと絵本・読み聞かせ」については、また別記事でも紹介したいと思います。

絵本作家の収入(印税)はたったの○○%!絵本を買って応援を

たくさんの夢や希望を与えてくれる絵本。そんな絵本を作る仕事…絵本作家は、さぞかしファンタジックでステキな職業なんだろうなぁ…と思いませんか?

 

実はどっこい、現実はそんな砂糖水のようには甘くない!!( ̄□ ̄;)

 

絵本作家の収入…すなわち作品が売れた時に手に入る印税は、出版社によっては7~12%と幅がありますが、だいたい10%。1冊1000円の絵本で100円…1000部売れてようやく10万円程度です。

 

しかも絵本は特殊な業界で、ロングセラーの方が新作より売れやすいのです。(親や養育者が、自分がかつて読んだ本を買う傾向があるので。)

 

新作が1年以内に重版になれば良い方…1万部売れれば、売れている部類に入ります。それでも、1冊1000円として100万円…文と絵の担当が違う人だった場合、それを更に折半することになります。

 

多くの絵本作家さんを突き動かしている者は、お金ではなく情熱です。

 

その気持ちを利用するような自費出版商法なるものもあるというから怖いですね…。

 

また悪意無く、YouTubeなどで絵本の読み聞かせを無許可でアップされている方もいますが、あれはれっきとした「著作権侵害」です。内容を写真でアップするのもアウトです。

 

ガーン!

 

著作権は、作った人の財産権を守るためのものでもあります。大好きな作品の作り手さんの想いを、踏みにじるようなことはしたくないですよね?

 

とはいえ、絵本は1冊1000~2000円と決して安い買い物ではありません。図書館で借りる人も多いと思います。

 

でも、子どもや自分がお気に入りの絵本は、その作家さんを応援する意味でも、是非買ってほしいんですよね。図書館で数回子供が持ってくるものは、買う価値ありだと思います。

 

また、絵本を選ぶ際にとても参考になるのが、岡田達信さんの「新・絵本はこころの処方箋」の巻末にもある50冊の絵本リスト!

 

ネリは先の「絵本はこころの処方箋」と「絵本はこころの架け橋」の巻末にある50×2=100冊のリスト絵本を読みました。そして、この100冊を読むことで、古今東西の絵本の基本を押さえることができた…と感じています。

 

まぁ、あくまで「窓口」で、アーユルヴェーダと同じく足を踏み入れてしまうと、広くて深ーい大変な世界なんですけどね( ̄▽ ̄;)

 

自分で選ぶと、つい偏った選書になります。絵本と自分の世界を広げるためにも、是非、今回の「新・絵本はこころの処方箋」巻末の絵本50冊リスト(しかも効能別!)もご参照ください!!

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まとめ~絵本はこころの処方せん!

「処方せん」‥それは、人の苦しみを和らげる薬を出すためのレシピです。

 

薬

 

薬剤師として様々な処方箋を受け取り、これまた多種多様な薬をお渡ししてきましたが、「こころの処方箋」である「絵本」の持つ効能・効果は、どんな薬よりも魅力的です。

 

ひとりひとりの心に寄り添うオーダーメイド形式で、副作用の心配もありません。

 

さらに「絵本」には、普段、社会の中で使っている作られた自分の鎧(ペルソナ)を取り除き、人と人との間にある心の壁を消し去る効能すらあります。

 

豊かで便利になった世の中で、どこか乾いた気持ちを持てあましがちな大人たち。そんな人こそ、ぜひ「絵本」を読んでほしいなぁ‥。

 

そこには本当の豊かさと、無邪気な優しさが溢れ、こころのコップを満たしていきます。自らのコップが満たされると、そばの人のコップも満たしたくなります。

 

水の入ったコップ・透明性

 

この記事でも書いていますが、幸せは三つ先まで伝染します。

その先に「世界平和」の入り口が見えてきそうな気がしませんか?(*^^*)

 

さぁ、みんなで!

Shall we EHON ?(*’ω’*)ノ♪

 

興味のある方は、ぜひ全国の絵本セラピストさんが開催している「絵本セラピー」も体験してみて下さいね!

 

最後までお読みいただき、ありがとうございました!