天高く、馬も人も猫も肥ゆる秋の到来…。
少しずつ気温が下がり、過ごしやすくなる秋は、同時にあの子が乱れる危険な季節…!
メランコリックに陥りやすい秋の夜長に行う、心と体の正しいケアを求めて、トムトムとピッタ・ヴァータ・カパりんの旅は続く。
もくじ
食欲の秋の消化力は?秋はピッタの乱れにご用心!
さて、春・夏ときたら次にやってくるのはモチロン秋だよね。「スポーツの秋」「芸術の秋」…
そして、やっぱり「食欲の秋」!
(…うん、言うと思ったわ。)
前回、夏は消化力・アグニが落ちるって言っていたよね。アーユルヴェーダでも「夏バテ」ってあるんだ…って面白かったよ。
「食欲の秋」っていうくらいだから、秋の消化力はものすごいパワーがありそうだね!
残念ながら、秋の消化力は、1年を通して「最強」ではないんだ。確かに夏よりは強くなっているけれど、年間を通してみたら中くらいかな。
え?そうなの?
そうそう。上り調子ではあるけれど絶好調ではないの。だから、秋の味覚を満喫するのもほどほどにね♡
ガーン!
(どんだけ食べる気でいたんだ、トムトムは…。)
秋のピッタはバランスを崩しやすい。夏の間に体の外側に容赦なく加えられた熱が、秋には体の内側にこもってピッタを乱していく。人生を長い時間で見た時に、この時期のケアはとても重要なんだよ。
???
秋のケアは見た目にも影響!アンチエイジングの秘訣は秋のピッタケア!
秋のピッタの乱れが招くのが「炎症」なんだ。これは老化の原因にもなる。
ろ、老化!?
まぁ、そこまでは言い過ぎかもしれないけれど…ボク・ピッタの乱れは口内炎に始まり、シミ・シワなどの肌トラブルや白髪や抜け毛を招くって言われているんだよねぇ。
それって、めっちゃ老化やん!
ふふふ。カッカしやすいピッタちゃんの熱は、体にエネルギーを与えてくれるのと同時に、燃えすぎると生命エネルギーの消耗もしてしまうから注意が必要ね。
現代の医学でも、夏の紫外線やエアコンでダメージを受けた肌は、秋の乾燥で一気に老化する…とも言われているから、美容と健康のためにも秋のピッタ・ケアをしっかり見ていきましょう!
リトゥチャリヤ(RItucharya)~秋の過ごし方
①生活法
それじゃあ、秋の過ごし方(Ritucharya)を見ていこう。
まずは、ボクを必要以上に乱さないために、直射日光はできるだけ控えること!
えー、秋こそ遠足とか旅行とか、色んな場所に行きたいのに…。
確かに、気温が下がって体が楽になるから、動きたくなるよね~。無理のない旅行なら問題ないよ。あまり動きすぎるとボクだけじゃなく、ヴァータも乱れてしまうから気をつけてほしいけどね。あと、出来れば帽子などで日差し対策はしてほしいな。
動くこと自体は、この季節、すごく良いんだ。やっぱり「スポーツの秋」だよね。
だけど、やり過ぎは禁物。働きすぎや遊びすぎ、夜更かしなどで生活リズムを崩さないようにね。僕もピッタも乱れてしまうよ…。
ゆっくりと美術鑑賞…なんていうのはピッタちゃんを落ち着かせるのにも良いかも♪紅葉などの自然鑑賞もオススメね!
鑑賞と言えば、秋はやっぱり「アレ」だよね。
そう、秋といえば「お月見」!!
昔の人は、やっぱりスゴいよ!日本人の古来から伝わる叡智!それこそが「THE☆お月見」!
Fly Me to the Mooooooon !!
ピッタ、興奮しすぎ!ホラ、月でも見て、心を鎮めて…。
・・・・
(すごい…一気に落ち着いた。)
月光浴にはピッタを整える力があるのよ。体を冷やさないよう気をつけながら、是非ぜひ楽しんでみてね♡
さらに凄いのが、お月見とセットの「月見団子」。次にも出てくるけれど、この「甘味」はピッタを鎮めるには最適なんだよね。
・・・・(モグモグモグ)
(秋の夜長は不思議なことがいっぱいだ。。)
②食事法~秋の特別な白鳥の水「ハンサ・ウダカ」
秋はピッタを落ち着かせるのに「甘味」が良いっていうのは分かったよ。逆に避けた方がよい味とかってある?
そうだね、避けた方が良いのは辛味・塩味・酸味…なかでも酸味の摂りすぎは良くないんだ。逆に摂ってほしいのは甘味や苦味、渋味だね。質としては軽いものが嬉しいな。
ちなみに古典書では、ラーヴァ(ウズラ)、カピンジャラ(灰色のヤマウズラ)、エーナ(レイヨウ)、ウラブラ(ヒツジ)、シャバラ(オオジカ)、シャシャ(ウサギ)の肉を定期的に食べるのが良いって書かれているよ。(出典:チャラカ・サンヒター)
(なかなかイ〇ンとかで見かけないラインナップだよね…。)
お米や大麦といったイネ科の食物も一緒に書かれているわ。秋の新米が美味しい季節よね♪
あ、ちなみに、秋の新米は消化の負担になるから、アーユルヴェーダ的にはオススメじゃないんだ。インドでは新米をわざわざ俵のまま置いておいて、翌年に食べるようなこともするんだって。
まぁ、にゃーゆるヴェーダ的には、そこまでは求めないよ…だって新米、美味しいしね!
良かったー。新米を食べられないって、ボクにとっては心の死活問題だよ。。
イエッサー!!
ここで、アーユルヴェーダ雑学をひとつ!秋には「ハンサ・ウダカ」と呼ばれる素晴らしい水があるのよ。
日中には太陽光によって暖められ、夜には月明かりによって冷やされ、時間によって熟成され、アガスティヤ星(カノーブス)によって毒を抜かれた水を、ハンサ・ウダカ(白鳥が好む水)という。これは秋に得られ、清潔で純粋である。この水は入浴、飲料、全身浴として用いれば、甘露のように有益である。
出典:チャラカ・サンヒター (第6章‐28)
ハンサ・ウダカ‥なんだかスゴいね。
今の水は様々なもので汚れてしまっているから、なかなか難しいかもしれないけど‥美しい自然が保たれた場所で手に入る自然の恵みの水は、まさしく「生命の水」!そうして、世界や宇宙のパワーそのものを取り入れることができると良いよね~。
③治療法
さて、次は治療法かぁ…。春は上から(催吐法)、夏は下から(下剤法)…秋の治療法を聞くのが怖いよ…。
あはは!確かにね。ボク・ピッタの乱れには夏と同じく、下剤法・ヴィレチャナ(Virechana)下剤法が使われるよ。だけど秋の治療法にはもっとスペシャルなものがあるんだ。それが…コレ!
ひーーッ!ヒ、ヒ、ヒル!!?うそでしょ!?
ホント、ホント♡ラクタ・モークシャっていうんだけどね。難しい言葉で言うと瀉血法(しゃけつほう)。
アーユルヴェーダの神さま・ダンヴァンダリ神も4つの手の一つにヒルをお持ちになっておられるのよ♪
Dhanvantari-at-Ayurveda-expo/HPNadig/CC継承
まぁ、ヒルじゃなくて、ほら貝のバージョンもあるみたいだけどね。
ちょ…ちょっと、ハードルが高すぎる気が…。
だよねぇ、要は体に悪影響を与える澱んだ血を体外に出すのがポイント。目的から考えると、実は現代では「献血」っていう手も良いんだよね。
トムトムはまだ未成年だから無理だけど、覚えておくと良いよ。
自分の中で新しい良い血・ラクタが出来る上に、人の役にも立つなんて、一石二鳥だよね。
(献血も大変そうだけど、ヒルよりは良いかぁ…)
まぁ、一番はそんな治療法に頼らなくて良いように、食事や生活にを大切にして、心と体を守ること!だね。
秋の過ごし方をまとめると、こんな感じだよ。
- 夏ほどではないけれど、食べすぎには引き続き注意!
- 生活リズムを整え、夜更かしや過労を避ける
- 運動はオススメ!だけど頑張り過ぎに注意
- 辛味・塩味・酸味の摂取を控え、甘味や苦味、渋味を摂る
- 直射日光を浴びない
- お月見や月光浴をする(体を冷やさないように)
- 献血
最後は冬のリトゥチャリヤ(Ritucharya)を見ていこう!
次回予告
寒さが堪える冬の夜は、人の温もりが身に沁みる
初冬から極寒の冬に至る
年末年始のあわただしさも重なり
心とからだは大ピンチ!?
一年を健やかに過ごす知恵も最終章…
終わりよければ全てよし。
春のスタートダッシュに大切な
冬の過ごし方に迫る!
乞うご期待!