人生を彩る一瞬一瞬を見つめ、自分の命と向き合う大切な時間の使い方を学ぶトムトムとドーシャーズ3。
1日の過ごし方・ディナチャリヤ(Dinacharya)で、この身体と宇宙のリズムを合わせることを知った彼らは、更に長い一年という時間…季節における命の調律の方法・リトウチャリア(Ritucharya)の謎に迫る…!
もくじ
春夏秋冬…四季があるという歓び
暖かい日が増えてきたね~!春の足音がきこえてきたかも!?
春生まれの僕は桜を見るのが大好きなんだ。日本って四季がある素敵な国だよね~♪
まぁ、この地球の軸が傾いている限り、地球上に四季のある国はたくさんあるんだどね。その中でも、日本ってすごく五感を使って四季を楽しんでいる国だと思うよ。
特に日本食ってスゴいよね。「春のコース」「秋のおすすめ料理」っていう風に、四季折々の食材を使って、そのシーズンならではの料理を楽しませてくれる…これは世界でもなかなか珍しいことらしいよ。
うふふ…そんな話を聞くと、お腹が空いてくるわ!(*’ω’*)
そういえば、日本では四季をさらに6つに分けた二十四節気や、それでカバーしきれなかった季節の変わり目を表す雑節(ざっせつ)という暦を使ってきた歴史があるの。季節の変化に敏感だった日本人の気質が伺えるわね~♡
…季節って、そんなに細かく分かれているんだ。あんまり、そこまで意識したことってないな…。
最近は良くも悪くも一年中同じような状態で過ごせるようになったしね。
昔は、今みたいな電気やガスによる空調がなかったし…季節のちょっとした変化も敏感に感じ取っていたと思うよ。春の待ち遠しさも、今よりずっと強かったんだろうな。
便利になったことで失いつつあるものもある。一年中スーパーで野菜を購入できることも、便利だけれど少し不自然だよね。これからの時代を生きるトムトムたちは、意識して暮らさないと、自然のリズムからどんどん離れてしまう…それが、僕たちはとても心配なんだ。
病気は「自然の法則を犯すこと」から始まるからね。
これからはAIの時代…って良く言うわよね。そんな時代だからこそ「人間らしく」生きることを大切にしてほしいの。そのヒントもアーユルヴェーダにたくさんあるわ!
人が人らしく、生き物が生き物らしく、自然のリズムに生きるための知恵…1日の過ごし方・ディナチャリアの次は一年という季節の過ごし方リトゥチャリア(Ritucharya)について見ていきましょう!
インドの6つの季節・リトゥ(Ritu)
そういえば、アーユルヴェーダって「インドの医療」だよね?インドも日本みたいに四季があるの?
よくぞ聞いてくれました!実はね、インドでは4つではなく6つに季節が分かれているんだ。
えっ!?6つもあるの!!?
- シシラ(śiśira/厳冬、休眠)
- ヴァサンタ(vasanta/春季、息吹)
- グリーシュマ(gríșma/夏季、繁殖)
- ヴァルシャー(varșā/雨季)
- シャラト(śarat/秋季、停滞)
- ヘーマンタ(hemanta/初冬、連結)
(※南インドは若干異なる)
???何?この「吸収期」と「放出期」って?
ちょっと専門的になるけれどね…アーダーナ(ādāna/吸収期)は冬至から夏至の半年間を示すんだ。太陽が北に向かう時期(北回帰路)…この時、太陽は地上の水分を「受け取る・吸収する」時期とされている。
ヴィサルガ(visarga/放出期)はその逆だね…南回帰路で太陽の高度は下がっていって、太陽の力は弱くなることで地上に水分が満ちる。つまり太陽が地上へ水分を「放出する」んだ。
へぇ…つまり、太陽目線の言葉ってことなのか…。なんだか詩的だね~。
実際のインドの雨季(ヴァルシャー)は、スコールや洪水で全然詩的じゃないみたいだけどね…( ̄ω ̄;)
インドに行くなら乾季の11月~3月に良いと一般的に言われているよ。最初の印象がその国に対するイメージに凄く影響するから、1回目の旅はこの辺りを目指したいね。
色んな顔を持つインドは、訪れる場所・季節(時間)によって見せる表情も様々!それに人が合わせていくことで、アーユルヴェーダという生き方の知恵が育まれたのかも‥。
自分中心の考え方じゃなくて、どうやって自然と共存し、その恵みを最大限に活かすか…その思考が、古典書にも凄く表れている。
人が食べた様々な食べ物は、その人が季節に順応した食事と健康法を心得ていれば、体力を増し色つやをよくする。
出典:チャラカ・サンヒター(第6章-3)
これこそがリトゥチャリア(Ritucharya)の基本となる考え方だね!
季節の過ごし方~リトゥチャリア(Ritucharya)
ちょっと不思議に思ったんだけれど、インドと日本だと季節の巡り方や、気温・気候も違うよね?
じゃあ、アーユルヴェーダで書かれていることをそのままやってしまうのは危なくない?
いいところに気が付いたね!そうなんだ。
日本では四季が大切だけれど、インドではむしろ雨期・乾期を中心に季節が回っている。
インドの知恵をそのまま使うのは厳しいけれど、そこにある理論をもとに「日本式・季節の過ごし方(Ritucharya)」を考えることは出来ると思うんだ。
「日本式・季節の過ごし方」?
そうそう。古典書の中で書かれている太陽と風、そして月の力を使ってね。。
ヴィサルガ(放出期)はサウミヤ(ソーマ(月)の冷たい性質が優勢な状態)である。一方、アーダーナ(吸収期)はアグネーヤ(アグニ(火要素)が優勢な状態)である。
このように、時間(カーラ)とそれぞれの本来の性質(スヴァパーヴァ)と軌道(マールガ)によって支配されている太陽と風と月が、時間・季節・ラサ(味)・ドーシャ・体力の変動を起こしているのである。
出典:チャラカ・サンヒター(第6章-5)
太陽と風と月…この別々の性質を持つ3つが時間によって各々の軌道のどこにいるかによって、生命を取り巻く環境は変わる。その違いが季節を生み、ボクたちの身体にも色々な変化が起きるんだ。
だから、日本の四季それぞれにおいて、「太陽・月・風(乾燥・湿気)がどうなっているか?」「何が強くて、何が弱いか?」を考えることで、それに対応するアーユルヴェーダの知恵を使うことが出来るんじゃないかな。
繰り返しになるけれど、大切なのは自分を取り巻くその時期・その環境に合った食事や生活…。
それこそが、リトゥチャリア(Ritucharya)…季節の過ごし方。
大宇宙(マクロコスモス)の変化に、人体という小宇宙(ミクロコスモス)は抗うことが出来ないんだ。
でもね、この世界は上手くできているの。ちゃーんと、その時・その場に生きる者に必要な食べ物が、その土地・その季節に収穫できるようになっている。だから、自分の生まれた地の旬の食べ物を食べることは、自分の命を癒して育む‥養生することになるのね。
昔から伝えられている「身土不二」や「地産地消」という言葉には、どんな医学書よりも大切な健康に生きるための智恵が詰まっているわ。
「しんどふじ」と「ちさんちしょう」…かぁ。
今って、コンビニやスーパー、レストランとかで、好きなものを好きな時に食べられるよね。でも、それって、必ずしも幸せなこととは限らないんだ…。
そうなんだ、難しいよね。
少しでも早く、少しでも効率よく、少しでも多くの結果や成果を出すために、色々と便利な方法が生まれてきた。確かにボクたちはその恵みを受けている。
でも、それが「ほんとうの幸せ」に繋がるか…って考えたとき、ちょっと違和感を感じることもあるよね?
今のスピードの社会で「自然のリズムで」生きることは、正直すごく難しい。
でも、大きな宇宙の意思や流れに逆らって無理をした結果、体や心を壊してしまったとき、そこに残るものって何だろう?
余談だけれど、農業って人を癒やす力がものすごく強いらしいわよ。
建築家でアーティストでもある坂口恭平さんは、畑をすることで躁うつ病が改善したって仰っているわね。
10年も躁鬱の薬飲んで治らず、畑に行って50日目でほぼ躁鬱が治った。精神科の先生って、躁鬱が治らなくても一生治らないですからって言って、どんな患者からも怒られなくていいなぁ。病院って不思議なところだと思う。僕が出会うべきなのは病院ではなく畑でした。土でした。
出典:Twitter~坂口恭平 (@zhtsss)June 15, 2020
なんだか色々と考えさせられるわね~。。
よお~し!!僕も頭を使いすぎて疲れてしまった時は、土を触りに行こうっと!!
(…当分、その必要は無いと思うけれどね。。)
次回予告
春…それは木々が芽吹き、カパりんが暴走する季節!
地球が織り成す物語に耳を澄まし
自らの命を整える
リトゥチャリア(Ritucharya)!
果たして日本の四季の移ろいの中で
その力は発揮されるのか…?
桜舞い散る中、命が踊り出す春、
カパりんの混乱は頂点を極める!!
乞うご期待!!