※地球が織り成す物語に耳を澄まし、自らの命を整える季節の過ごし方…リトゥチャリヤ(Ritucharya)を知ったトムトムとドーシャーズ3!
そんな彼らを包みこむ、木々が芽吹き、長い冬を経て命が再び活発に動き出す季節…春。
そのうららかな日差しの中で、怪しい動きを始めるカパりん…彼女の身に何が起こったのか!?
果たして日本の四季の移ろいの中でリトゥチャリヤ(Ritucharya)の力は発揮されるのか…?
もくじ
カパりん・ご乱心!春はカパ・ドーシャの乱れに注意!!
春だね~。この前、外で遊んでいたら、つくしやタンポポを見かけたよ。桜ももうすぐ咲きそうだね。
冬の間、文字通り凍結していた命が、緩んで動き出していく‥息吹きの季節だね!
でも、もうひとつ‥困ったものも動き出す恐れが‥どう?ヴァータ?
‥うん、今年も良い感じに、オカシクなっているみたい‥。
???
ヘーイ!Youたち!!待ちに待ったSpringを、全身でenjoyしてるかーい!?
!!?
ど…どうしたの?カパりん!!
ワーオ!そこにいるのは心の友、トムトムじゃーん!?
え?何?私に引いてる?
Don’t mind ! Don’t worry !!
やっときた春、想い伝わる、世界が変わるー!!
‥こ、これは一体?何が起こっているの!?
春という季節は、冬の間に溜め込んでしまったカパりんの悪い力「カパ・ドーシャ」が溶け出し、カパりんを混乱のるつぼに陥れるのだ!!
春はあけぼの、さくらにタケノコ。鼻水やまず、かまずにおれずー!!
・・・・・
(うっわー、トムトムの視線が冷た——い。。)
(そして、そんな視線を全く感じていないカパりんが危な——い。。)
どうして春にカパが乱れるの?
いったい、どうして、こんなことに‥‥。。
季節によって世界が色々な表情を見せるように、体の中でも季節によってボクたちは色々な状態になってしまうんだ。
冬の間、体の中にため込んで固まっていたカパりんの良くない方のパワーが、春の温かさで溶けだして暴れ出してしまう…それが今の季節なんだよ。
…で、春はカパりんがラッパーになる、と。
まぁ、今年は特にエキサイトしている感じもするけれどね。自粛生活であまり運動できなかったこともあるのかも。
運動不足はカパりんの悪い方の力…カパ・ドーシャを増やしてしまうからね。あとは、冬の間に食べすぎることも良くないんだよ。
運動不足で体の春闘!ダメージ重ね撃ち、冬の食べすぎ!!
じゃあ、冬の間に注意して毎日過ごしていたら、春にカパりんがラッパーになることは防げるっていうこと?
そうだね。冬の間の生活を注意することで、春の体調は大きく変わると思うよ。
でも、春という季節自体が、ボクのアグニ(Agni)の力を弱めるんだ。
だから闇の力・アーマ(Ama)が増えやすくなるし、生命エネルギー・オージャス(Ojas)も減ってきてしまう。
…春って結構、やっかいな季節なんだね。。
こんな体調不良にご用心!カパの乱れによる症状
トムトムの言う通り、実は春って体や心にとっては負担のかかる季節なんだ。春に体調が悪くなる人って結構いるでしょ?
聞いたことがある…「木の芽どき(このめどき)」って言うよね?
そうそう。メンタル的にもバランスを崩しやすいし、自律神経も乱れやすくなる。
東洋医学でも「水毒」という考え方があるんだ。体の中に汚れた水が溜まることで、花粉症やめまいなどの症状を起こすと考えられているよ。
じゃあ、花粉症の原因はカパりんってこと!?
正確には冬の間にため込んだカパりんの悪い方の力だね。前にも書いたけれど、免疫力をアップしたり、粘膜・粘液などの水の質で外敵から身体をガードするのがカパりんの働き。
その力が暴走した過剰防衛反応が、花粉症などのアレルギー症状とも言えるんだよね。
カパりんが暴走しそうな時の体のシグナルを紹介するよ。こんな症状があった時は、カパりんを落ち着かせるよう心掛けるんだ、トムトム。
・口の中が粘っこい感じ
・心と体が重く、怠惰になる
・咳や呼吸困難、痰の絡みによる喉の閉塞感
・身体が冷え、血流が悪くなる
・朝が起きれない
・肥満やむくみによる体重増加
・かゆみやこわばり
・消化不良、代謝減退
やってらんなーい‥‥
リトゥチャリヤ(RItucharya)~春の過ごし方
①生活法
そんなカパりんの暴走を止めるための春の過ごし方‥それが春のリトゥチャリヤ(Ritucharya)なんだよ。今日はその幾つかを紹介するね。まず一番は何といっても運動!
やっぱり運動って凄いね‥なんだか良いことずくめだ。
カパ・ドーシャが悪化して体が重くなると、最初の一歩を踏み出すのが大変だけど。でも動けば動くほど体も心も軽くなるから、体を動かすことは忘れないで!
古典書ではウドヴァルタナ(udvartana)と呼ばれる粉末剤や泥膏によるマッサージが勧められているけれど、ちょっとハードルが高いよね…。そこまで本格的でなくても、家庭で出来る絹の手袋を使ったドライマッサージもカパ・ドーシャを鎮めるのには良いんだよ。アーユルヴェーダではガルシャナって言うんだけれど、まぁ言ってしまえば乾布摩擦だね。
逆に良くないのは「昼寝」。春眠暁を覚えず‥春って凄く眠い季節だけど、体のためにはガマンガマン!少なくとも日中に背中を床につけて眠るのは止めた方がいい…カパりんのラッパー化が激増するからね。
昼寝するなら、伏せ寝がスーパー!花粉対策、南無阿弥陀仏!
えーっと、つまり机に伏せて寝たり…というのはOKってことかな?
そうそう。昼寝はしないのが一番良いんだけれど、もしするなら座った状態などで時間は短めに!夜の睡眠に影響するから15分くらいまでにとどめるのが良いよ。
あとは体を冷やすのも避けた方がいい。お風呂は良いんだけれど、髪の毛を洗ったあと濡れたままでいたり、夜風にあたったりして体が冷えると、カパりんはますますおかしくなってしまうんだ。。
夜桜シャンプー、アクマな蛮習!
気を抜くと、カパりんのラッパー化が永遠に止まらなくなっていまいそうだね…。春ってオソロシイ。。
②食事法
でもね、実は家でも出来るカパ・ドーシャ悪化への対処方法が、色々あったりするんだ。
え?ホント?
うん。台所薬局の処方箋としては「苦味」を取り入れた食事がオススメ。
カパりんは土と水で出来ているけれど、それと同じ質を持つ味は「甘味」…だから、カパ・ドーシャを増やす甘いものは控えることが凄く大切なんだ。ほかにも、重い質(重性)のもの・酸味のもの・高脂肪のものもこの時期は避けるようにしてほしいな。
現代医学でも、甘いものを食べると花粉症が悪化するっていうのはよく言われるね。甘さを感じていると、のどの守りの機能(抗菌タンパク)が悪くなって、花粉の侵入を簡単に許してしまうとされている。(出典:花粉症は一週間で治る/溝口徹)でも、逆に苦味を感じることで、このバリア機能はアップする。お茶などに含まれる苦味成分・カテキンは、抗菌作用もあるし、緑茶ポリフェノールで健康効果も高い。この季節、生活の中に積極的に取り入れたいアイテムだね。
リラックス効果も抜群ですな…
ちなみに古典書では、春に食べると良いものとして、大鹿・ウサギ・レイヨウ・ウズラ・ヤマウズラの肉がオススメされているよ。これらの肉は質が軽いんだ。(軽性)
そしてラム酒やはちみつ酒を飲んだ後に、女性と木々の花開く美しさを楽しむと良いって書かれている。(チャラカ・サンヒター 第六章22-26)
…お酒と女の子とお花を楽しむって…結構お茶目なことが書かれているね。
それにしても、ウサギにレイヨウって…なかなか一般家庭では食べない肉だと思うんだけれど…。
ウサギ・レイヨウ、ミラクル・ハッピーエンド!食肉準備中で良質チューニング!
…だんだんカパりんの限界が近づいてきているね…( ̄ω ̄;)
トムトムの言う通り、古典書に書かれているような食材を調達するのは、今の日本では難しい。
でもね、日本でもちゃんと素敵な食文化があるんだよ。それがヨモギや春の七草といった春が旬の野菜や野草。苦味はモチロン、辛味や渋味…春に摂りたい味がきちんと備わっているんだ。
へぇ~!上手くなっているね!!
他にも春の野菜…菜の花やフキノトウ、たらの芽、うどなど…これらの野菜たちに含まれる植物性アルカノイドやポリフェノールには、冬の間にたまった老廃物を解毒したり、新陳代謝を促進する効果があるとされている。ちゃーんと必要なものが必要な時に傍にあるんだ。だからこそ、地産地消や身土不二っていう考え方が大切なんだよ。
ちなみに、カパりんが大好きな「はちみつ」…その味(ラサ)は、アーユルヴェーダの世界では「甘味」だけではなく「渋味」に属しているんだ。それに「軽性」「乾性」の質を持っていて、乱れたカパ・ドーシャを「削り取る」働きがあるとされている。
さぁて、そろそろカパりんのラッパータイムも終わりにするか…よいしょっと。
???この口の中に広がる優しい味は、愛しの非加熱ハチミツ!?
頭のモヤが晴れていくわ…なんだか長い夢を見ていたみたい。。
うん、ちょっとした悪夢だったね。。
③治療法
ちなみに、本場・アーユルヴェーダでは、この春のカパの乱れに対する治療がある。それが「催吐法(ヴァマナ)」!
催吐法‥‥って吐くの!?うわー…やだな。しんどそう。。
あはは、だよね~。だからこそ、そんなひどいことにならないように、普段の食事や生活に気をつけることが大切なんだよ。
もう少し楽なところでいくと、薬用喫煙やナスヤと呼ばれる点鼻法もあるんだけどね。キュアリング処理したごま油を鼻に塗るだけの簡易ナスヤなら家でも出来るよ。花粉症対策なら鼻うがいもオススメ!副鼻腔と呼ばれるところをケアすることは、春の体調管理に凄く良いんだよ。
春になると、ぼーっとしちゃうけれど…鼻の浄化は脳の浄化に繋がるんだって!確かに鼻が通ると頭がスッキリするわよね~。
鼻うがいもしんどそうだけどね…もうちょっと楽な方法はないのかな?
そうだね…それならスパイスを使うのが良いかも。この季節にオススメのスパイスは、ジンジャー・ミント・ブラックペッパー・クミン・ターメリックってところ。
あとトリ・カトゥ(三辛)と呼ばれるスパイス・ミックスも、常備薬として置いておくと凄く良いよ。
まとめると、こんな感じかな…?
- 適度な運動をする
- 昼寝をしない(過眠にも注意!)
- 苦味・辛味・渋味を積極的に摂る(春が旬の野菜が良い)
- 甘味・酸味・高脂肪食・重い質のものは摂らないようにする
- 非加熱のハチミツを摂る
- 頭がぼんやりするときはナスヤや鼻うがいがオススメ
- トリカトゥ(三辛)を初めとするスパイスで体を調律する
せっかく気持ちの良い時期なんだから、体を整えて元気に過ごしたいよね。
なるほど…非加熱はちみつとトリカトゥってスパイスがあれば、とりあえずカパりんのラッパー化が防げるんだね。それはそれで、ちょっと寂しい気もするけれど…。
??なんだか分からないけれど…。大好きなハチミツがもらえて、いい気分♡
次回予告
ちょっと待った!夏にカレーは大間違い!正しい夏の過ごし方とは?
日本を覆う梅雨前線…そして
情け容赦なく照りつける夏の日差し!
消耗する私たちの心と体を
助けるのは、カレーではなく
夏のリトゥチャリヤ(Ritucharya)!
最高気温が毎年更新され
地獄絵図のような日本の夏…
それを乗り越えて生きていくための
自然の知恵にトムトムたちが迫る!
乞うご期待!!