もっと素敵な明日のために
今日の私ができること。
おはようございます。
「イーハトーヴのくすり箱」
管理人のネリです。
本日のテーマは「痛風」。
文字通り風が吹くだけで感じるような
強い痛みに七転八倒してしまう
この恐ろしい病気。。
そのメカニズムから治療法、
予防や症状、食べ物の良し悪しなどを
ご紹介したいと思います。
良かったら最後まで
お付き合いくださいませ~。
もくじ
1.痛風(高尿酸血症~ヴァータラクタ・Vatarakta)…その原因と発生メカニズムは?
痛風とは体の中に尿酸がたまり、
それが結晶化して関節などに
激しい炎症・痛みを起こす病気です。
では、その原因となる尿酸は
どうして高くなるのか…
その元となるのがプリン体。
プリン…?
プリン体とは生き物の遺伝子の構成物質。
遺伝子を構成するDNAや
情報を伝達するRNA、
そしてエネルギーを担うATPの
骨格…核酸の中に存在し、
それらが代謝・分解されたときに
燃えカスとして尿酸が出来るのです。
元々は膀胱結石の分析から
その構造は解明された物質。
決して100%の悪者ではなく、
命を維持するのに必要なもので、
人の体の中では毎日
約600㎎の尿酸が作られると同時に
約600㎎の尿酸が体外に排泄されます。
うん、絶妙なバランス!!
その尿酸収支バランスが崩れ
血液中の尿酸値が高い状態が
高尿酸血症!
バランスが崩れる理由は2つ。
- 体内で作られる尿酸が多すぎる
- 体外に尿酸を排泄する能力が低下している
このいずれか…あるいは
両方が同時に起こることで
血液中の尿酸が多くなってしまいます。
なので誤解されることが多いのですが
決して食べ物だけで発生する病ではないんですね。
もともと尿酸は
8割が自らの身体の中で作られる
と言われています。
2割の食べ物の影響も無視できないけれど
問題は体内で出来る量と出せる量の
バランスが崩れた場合です。
具体的には尿酸値・血清尿酸値が
7.0mg/dL以上の状態。
これ以上血液中の尿酸が多くなると
結晶として析出しやすくなります。
2.痛風発作は骨折レベルの痛み!発生しやすい時期は?
高尿酸血症が続くと、ある日突然
関節などが赤くはれて激痛が!
これが世にも恐ろしい痛風発作!!
特に足の親指の付け根に
起きることが多い痛風発作…
その痛みは激烈で、骨折より痛いとも
ペンチで親指を挟まれるようとも
言われています(゚Д゚;)
足の親指の他にも
血流が悪く、冷えやすい足を中心に
くるぶしやかかと、足の甲に起きることも。
特に暑いシーズン・夏は要注意!
汗で体内の水分量が減って
相対的に血液中の尿酸濃度が
濃くなってしまうため
痛風発作が出やすくなるんですねー。
しかも、この時期美味しいのが
キーンと冷えたビール!!
「プリン体ゼロ」を謳ったものも
ありますが、問題はプリン体より
実はアルコール…( ̄▽ ̄;)
アルコールが分解されるときに
尿酸が多く生成され、
また一緒に出来る乳酸によって
尿酸が排泄されにくくなるんです。
おつまみには
プリン体=うまみ成分が多いものを
選びがちになっちゃいますしね。
しかも利尿効果によって
体の中の水分が奪われる。。
このシーズンは特に
水分をこまめに採るようにして下さいね。
そして痛ーい痛い痛風発作も怖いけれど、
さらに怖いのが
血液中の尿酸値の高い人は
心血管障害や脳血管障害のリスクが
高くなるということ。
色んな病気への扉を開く
高尿酸血症…
健康診断の結果を見てください。
あなたの尿酸値(UA)は
大丈夫ですか!?
3.痛風(高尿酸血症~ヴァータラクタ・Vatarakta)の初期症状は?
高尿酸血症になっても
初期の段階では
自覚症状は全くないと
言われています。
お薬を渡していても
「自分では何も感じないんだけどなぁ‥」と
血液検査で指摘された患者さんがほとんど。
静かに忍び寄る高尿酸結晶の恐怖…
痛みや違和感を感じないのを良いことに
尿酸値が高い状態を放置していると、
ある日、突然起きる痛風発作!!
とはいえ、いきなり激痛!!ではなく
最初はピリピリとかムズムズとか
「あれ?なんか変な感じ…」という
症状から始まることが多いようです。
一度、痛風発作を経験した人なら
「あ!くるっ!!」と分かる
前段階の症状があるようですねー。
痛風発作にのみ使われる
痛み止め・コルヒチンは
この段階で服用するのが効果的です。
最近は痛風に関する研究も進み
いろんな薬や治療もあるので、
正しく治療を行えば
日常生活に支障なく暮らせます。
だけど放置し、何度も何度も
痛風発作を繰り返すような生活を
送っていると、
発症部に結節が出来てしまったり
腎臓の機能が大きく損なわれたり…と
取り返しのつかない状態になりかねません。
早め早めに手を打っていくことが
大切な病気のひとつです。
4.痛風(高尿酸血症~ヴァータラクタ・Vatarakta)の西洋医学的薬物治療について
病院で高尿酸血症の診断をされると
まず尿酸値を下げるための食事療法、
それでもダメなら投薬治療が行われます。
使われるのは尿酸の生成を抑える薬か
尿酸の排泄を活発にする薬です。
これで体内の尿酸のバランスを取り戻し
尿酸値を下げるんですね。
痛風発作が起きたときは
NSAIDsと言われる
非ステロイド系のものや
ステロイド系の鎮痛剤を飲みます。
場合によっては座薬を使うことも…
よっぽど痛いんでしょうねー(-ω-;)
また、先にも書いた痛風の痛み止め
コルヒチンと呼ばれる薬は
痛風発作が起きる4~5時間前の
予兆の段階で服用する薬です。
ムズムズ・ピリピリとした
痛風発作が来る!!という段階で
使用することで発作を予防できます。
来る~♪きっと来る~♪♪
注意しなければいけないのは
痛風発作が起きたときは
尿酸値を下げる薬を開始しないこと。
実は痛風発作が起きているとき
血清尿酸値は低くなっています。
そして、この痛風発作時に
尿酸値が大きく変動すると
痛風発作が悪くなっていまいます。
すでに服用している場合は
そのまま続けて大丈夫ですが、
発作が起きてからすぐに
尿酸値を下げる薬は
飲んではいけません。
治療は一旦発作が収まってから
開始するのがポイントです。
まとめ
「骨折より痛い」とも言われる
痛風発作は、血液中の尿酸値が高い
高尿酸血症状態が長く続くことで
発症リスクがあがります。
尿酸の元になるプリン体…
その大元は実は食べ物ではなく
自分自身のからだの
中身だったんですね。
体内で発生する量と、
外に出す量のバランスを整えるため、
特に後発する夏場に大切なのは
水分補給!
放っておくと怖いけれど
きちんと対処すれば問題なく
日常生活が送れます。
自分の身体の状態を良く知って
安心感を持って毎日を
過ごしていきましょう!
アーユルヴェーダ編に続きます!