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もっと素敵な明日のために

今日の私ができること。

おはようございます。

「イーハトーヴのくすり箱」

管理人のネリです。

 

今回は田中博史さんの著書

「子どもと接するときにほんとうに大切なこと」

ご紹介します。

 

子どもと過ごす時間のクオリティが

上がること間違いなしの一冊。

良かったら是非、実際に手に取って

ご覧ください。

 

出典:Amazon

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1.田中博史プロフィール

田中博史(たなか・ひろし)さんは

1958年、山口県生まれ。

 

自ら考え自ら表現することができる

子どもを育てる算数のカリスマ教師として

最近凄く注目されている先生のおひとり。

 

小学校教育界では

「日本一の先生」との呼び声高い

業界では超有名人!

 

2019年3月までは

筑波大学付属小学校副校長

されておられたとのこと。

 

筑波大学非常勤講師や

学校図書教科書「小学校算数」監修委員、

筑波大学学校数学教育学会理事、

学習指導要領実施状況調査委員会委員、

NHK企画委員などを歴任しながら

メディアにも多数出演し、

「先生の先生」として全国各地…

はてはデンマークやスイスなど海外にまで

講演やモデル授業をして回られています。

 

本の中では、そんな田中先生の

優しくて懐の大きなお人柄があふれるような

エピソードが多数満載!!

 

算数の先生らしく

本の中では分数で躓いた子どもへの

ユニークな対処法も紹介されており

なかなか目からウロコでした。

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2.本「子どもと接するときにほんとうに大切なこと」の感想

感想①そもそも教育・子育てって何なんだ!?

まずいきなり最初に

心震えた一節がコチラ。

子どもはなにかに向かって動こうとする

純粋なエネルギーを、

全員が最初は必ず持っている。

子どもに接する大人の役割は、

子どもが前向きに動こうとしている姿を

あと押しすること。

引用:子どもと接するときにほんとうに大切なこと(P3)

 

そのエネルギーを気付くと

押さえる方向に働きかける

大人の何と多いことか…

(自分も含めて)

 

実際、この

「あと押し」をしようとすると、

まず「見守る」という姿勢が大切で、

それは現実問題、

凄く非効率なことだと

思ったりもします。

 

それでも。

あえて。

 

その遠回りをすることが

「教育」なのかなぁ。

 

「見るところ」を変えることで、

「見えるもの」が変わる。

普通だと思っていたことの中に

「子どものがんばり」が見えてきたとき、

大人は驚き、嬉しくなる。

その嬉しい気持ちを子どもに

素直に伝えることが大切。

引用:子どもと接するときにほんとうに大切なこと(P5)

 

フィードバック、大切ですよねー。

これは子育てだけでなく

人間関係にも通じるものかも。

 

この「嬉しい気持ちを伝えること」

自己効力感を育むアクションかも。

 

自分の行動が

周りの人を嬉しい気持ちにする…

そんなフィードバックをされたら

子どもでなくても、やっぱり嬉しい。

 

常々思うことだけど

「ありがとう」⋙「凄いね」

ではないかしら?

 

人は自分の存在価値を認めてもらった時に

頑張れるものかもしれません。

 

そんな「頑張ろう」と思える

ハートやエネルギーを育てること…

教育や子育てって本来

そういうものかもしれないなぁ…。

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感想②伝える・伝わる教育って?

45ページから始まる

叱る目的は「教えたいことを伝えるため」

という項目も良かったです。

 

人間社会で生きていくのに

必要最低限の3つとは

・乱暴しない

・ウソをつかない

・人のものをとらない

 

…うん、こうやって箇条書きにすると

至ってシンプル。

 

でも子育ての時って、気付いたら

「あれアカン、これアカン」って

子どもの先回りをして

必要のない制限をかけているかも…

それは本当に必要なことだったのかな

って、ちょっと反省。

 

ちなみに「ウソをつかない」ことは

我が家では親が口で言う以上に、

この一冊の絵本が効果的でした。

 

【あたし、うそついちゃった】

出典:Amazon

 

「子どもと接するときに

ほんとうに大切なこと」の中では

その「大切なこと」を教えるための

具体的な方法も満載!!

 

その中で、特に心に残ったのが

全部指示を出すのではなく

親や大人側が一歩引いて

子どもの考える余地を与える

誉めるための仕掛け作り作戦!!

 

「お皿は何枚いるんだっけ?」

(具体例は本書を参考に)

この余地が大切で、

そこで子どもが考えた一歩分を

大人がしっかりと認めて誉めてあげる。

 

…うん、やっぱり、

子育てって手間暇が

かかるもんですな~( ̄▽ ̄;)

感想③先回りをせず「ゆだねる」

説明しすぎるのも

良くないんですよねー。

 

「すべての不必要な援助は

発達の障害物になる」

そんなモンテッソーリ博士の

言葉を思い出しました。

 

大人の理屈としては

「私がこんなに言ったのに

子どもが聞いてくれない」ですが、

子どもの理屈は、

実際に動きだしてみないと

疑問なんてわいてこないなのです。

引用:子どもと接するときにほんとうに大切なこと(P104)

 

この対比、凄く

分かりやすかったです。

大人だってそうじゃないですか?

(え?わたしだけ!?(笑))

 

実際その場になって

「アレっ?」って思った時に尋ねたら

「先に言ったでしょ?」と怒られる…。

すると、次から疑問に思っても

聞かなくなってしまう。。

 

分かるー!!( ̄▽ ̄;)(笑)

 

導く側にとって大切なのは

ゴールの設定・呈示なんでしょうね。

思考と試行は相手に委ねるのが、

大人も子どもも良さそうです。

 

 

あー、そのやり方より

こっちのやり方の方が良いのになー、

という心の声は置いといて(笑)

 

どんなルートを選んでも

そのルートで山頂にたどり着いた

経験がきっと宝物。

それは、ウェルビーイングでいう

自己決定の喜びかもしれません。

 

そして、道に迷ったとき質問してきたら

それに対して答える・応える。

 

その瞬間、その疑問に対して

答えをもらったら、

凄く吸収・理解も早いと思います。

 

そして

「この人には質問しても良いんだ」

子どもが思える関係性が作られる…

この絆が大切なんだろうなぁ、と

自分の体験も通して強く感じました。

 

子どもは「できない」のではなく

「体験不足」なだけ…

これはプロセスフォーカスにも通じる

本当に大切な視点ではないかしら。

 

また、本書の中では

子どもを見るときに大切なこととして

「点」ではなく「線」

さらに「面」で見ることの大切さが

書かれています。

 

この子どもの一部を切り取るのではなく

全体性をもって俯瞰すること、

ホンマに大切…そして難しい!

 

つい目前の事件だけに意識が向くけれど

その背景にはちゃんと

子どもなりの理由や背景が

あるんですよねー。

 

その言葉にしにくい部分を

拾ってあげることは、

関係性をしっかりと築く上で

きっととても大切なこと。

 

強い絆を正しく結ぶために

あえて一歩引いて観察する技術…

磨きたいと思いました。

 

ある意味、恋愛など

色んな関係性において

言えることかもしれない。

一歩間違えると

ストーカーだけどね、うん(笑)

 

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感想④大人が失敗を見せることの大切さ

子どもがイキイキするために、

大人が失敗する姿を見せる。

 

これも何となく感じていたけれど

なぜ大切か、

どういう効果があるか、ということが

分かりやすく書かれていました。

 

失敗する大人の前だと、

子どもも気軽に失敗できるという

よさがある。

引用:子どもと接するときにほんとうに大切なこと(P134)

 

言われてみれば確かにそう。

完璧な上司より

ちょっと間抜けなところがある

上司の下の方が働きやすいわー!?

 

カッコいいところばかりでなくて良い。

 

「失敗しても良いんだよ」

 

「失敗から学ぶことは

たくさんあるんだよ」

 

たくさんの言葉より、

大人自身がその背中で

失敗を恐れずチャレンジする姿を

(そしてコテンパンに失敗する姿を)

見せるのは、

とても良い教科書かもしれません。

 

 

失敗のあとどうするのかも含めて

「在りのまま」を伝えること…

簡単なようで意外に難しいかもです。

 

でもまあ、息子に

「ママは、うっかりだからね~」

言われるワタクシ、

この項目は十分満たしているかも

しれませぬ…。

 

もうちょっとしっかりしようよ…

 

感想⑤今、この子ができることは何か?

P162から描かれている

「子どものできることに合わせる」

という方法…

この中で、電車内で傘をうまく

たとむことができない子どもの例が

書かれているんですが、

これが結構、身につまされました。

 

子どもあるあるなんですけどね。

自分なら一体どうするだろう?

 

多分、周りの目を気にして

先回りして親(私)が

手を出してしまうかも。

 

正解なんてないけれど、

田中博史先生が提示された

一つの方法が

「なるほど」と思いました。

 

傘がたとめない小さな子。

でも、全く出来ないわけではない。

 

そこで

「この子が出来ることは何か?」

それを考えて、行動する手助けをする。

 

「出来ない(impossible)」

ではなく

「まだ出来ない(not yet)」

なんですよね。

 

全か無かではなく、

今できる何%かに寄り添って

「出来るようになるよ」という

メッセージを送る…

これまた手間暇かかるけれど、

された子供は嬉しいだろうなぁ。

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感想⑥子育てにおいて目指すべき方向

田中博史先生の

「子どもと接するときに本当に大切なこと」

 

本書を読みながら

ずっと考えていたのは

子どもにどんな大人になってほしいか

ということでした。

 

そのヒントとなったのが

田中先生の本の中にあった

こんなメッセージでした。

 

子どもにかぎらず大人でも、

イキイキしている人、

のびのびしている人というのは、

その場の状況や相手に応じて

アドリブで対応する力の

ある人だと思います。

引用:子どもと接するときにほんとうに大切なこと(P138)

 

教師の世界を見ていて、

プロと呼ばれる人と新人の

大きなちがいは、

実は予期せぬ事態への

対応力にあると言っても過

言ではないと思っています。

引用:子どもと接するときにほんとうに大切なこと(P169)

 

うん。

 

「正しい答えを早く出せる」大人より

田中博史先生が仰るような

柔軟な対応力を持って

怖がらずに色んな世界に

顔を突っ込んでいくような‥

そんな大人になってほしいな。

 

もちろん決まった答えを

導き出せる力も大切だけれど、

こういうアドリブ力(対応力)

身に付けていたら、

チャレンジする前から

怖気づいてしまうようなことは

ないかもしれない。

 

したたかに。

しなやかに。

 

上手くいかなかったらダメではなく、

つぎはどうすればもっと上手くいくか

へこたれることなく楽しんで

考えられるような大人になってほしい。

 

そんな大人になった息子を想像して

ちょっと嬉しい気持ちになりました。

 

そのためにはまず、

自分自身がそういう大人を

目指していきたいと思います(*’ω’*)

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3.まとめ

出典:Amazon

 

田中博史先生の

「子どもと接するときに

ほんとうに大切なこと」

 

子どもに対する見方が変わる

素敵な一冊でした。

 

子どもが生まれながらに持っている

生命エネルギー…それを、どうやって、

削ぐことなく伸ばしていくことが出来るか。

 

自分が受けてきた

画一的な学校教育とは異なる

「その子らしさ」を重視した

着地点を目指した

田中博史先生の「教育論」。

 

読んでいる親自身がなんだか

生命エネルギーを取り戻すような

不思議な感覚を覚えました。

 

そして、忘れてしまっていた

子どもの時計の進み方を

思い出させてもらった一冊でした。

 

子どもは「未熟」ではないのだ、と。

今の自分を精一杯生きているのだ、と。

 

楽しく、好奇心を持って動ける分、

大人より伸びしろがあるのは

当然のことかもしれない。

 

子どもの行動の裏にある

ピュアな動機に目を向ければ、

見え方が変わり、世界が変わり、

豊かな気持ちになれそうです。

4.1book 1action

「立ち止まる」

 

何か引っ掛かることが起きたとき、

大人の理屈で

すぐに解決しようとするのではなく、

立ち止まって、その背景に

目を、耳を、心を向けてみよう。

 

子どもの世界はきっと

大人が思っている以上に

広くて深くて色彩豊か。

 

その眼鏡を借りることで

大人の方が大きな発見や

気付きを得ることがありそうです。

 

この絵本のことも

思い出しました。

 

【まって】

出典:Amazon

 

最後までお読みいただき

ありがとうございました。