神農さん

もっと素敵な明日のために

今日の私ができること。

おはようございます。

「イーハトーヴのくすり箱」

管理人のネリです。

 

ネリは薬剤師ですが

時々、「薬」というものは

いったいなんだろう、と

考えてしまうことがあります。

 

薬局でお渡しする薬は

化学的に合成されたものが多く、

 

人間の生理機能に

ダイレクトに作用し

強烈かつ速効性のある

「反応」を引き起こします。

 

病態によっては必要なものも

多々ありますが、たまに

このクスリ、ホンマにええんかな?

と思うようなことに

接することもあります。

 

今回は、私から見た、

とても個人的な意見の入った

「おくすりとは」というテーマで

お送りしたいと思います。

 

神農さん

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ブッダの主治医、アーユルヴェーダ医師・ジーヴァカについて

悟りの人・ブッダには

ジーヴァカという主治医がいました。

 

ジーヴァカが医師になる

勉強をしていたとき

その師はある土地に彼を連れていき

「この土地で薬にならない

草木を持ってきなさい。」

といいました。

 

ジーヴァカは、

その土地の草木を一本一本調べ、

最後は手ぶらで師のもとに戻り、

「薬にならない草木は

ひとつもありませんでした」

と報告しました。

 

それを聞き、師は

「よろしい。

お前に教えることはもうない。」

と言ったんだとか。

こうして、ジーヴァカは

医師になったと言われています。

医薬と農耕の神さま・神農さんの命がけの人体実験

大阪にある薬のまち・道修町。

 

ここにある少彦名神社では

医薬と農耕の神様

神農さんが奉られています。

 

一番古い中国の

本草書(薬になる草木の本)を

「神農本草経」というのですが、

その名はこの神様からきています。

 

神農さんは、

たくさんの植物を嘗めて

己の身体を使って調べた

と言います。

 

その身体は、

頭部と四肢を除いて透明で、

毒があれば内蔵が黒くなるので、

どこに影響を与えるものかを

ひとつずつ調べていったそうです。

 

あまりにたくさんの毒草を嘗めたため

身体に毒素がたまってしまい、

最後はケシを摂取したときに

亡くなった、と言われています。

 

そんな身体をはった人体実験を

生涯通して行った神様・神農さん

 

道修町はじめ、

各地に奉られている

神農さんの像は

いつも口に何か

草をくわえています(笑)。

 

神農さん

(大阪・道修町の神農さん)

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目指せキッチンファーマシー!医食同源の考え方

ジーヴァカと神農さん。

この二人から分かるように

世の中の全てのものは

薬にもなり、毒にもなります。

 

あなたが口にするものは何にせよ、

なんらかの影響を

あなたに与えてから

排泄されています。

 

薬と毒の違いって

何なんでしょう?

身体に影響を

与えるという意味では

同じなんですね。

 

結局、

その「影響」が人体にとって

有益なものか、

有害なものか、

の違いなんです。

 

また同じものでも、

その摂取する量によって

益になったり害になったり

することがあります。

 

少し専門的な話になりますが、

薬には

有効量:ED(Effect Dose)

致死量:LD(Lethal Dose)

があります。

 

そして各々

  • 効果が現れる最小量(ED0LD0
  • 半数(50%)の個体に影響が現れる量(ED50・LD50
  • 全ての個体が反応する量(ED100・LD100

があります。

 

このED50が薬効の強さの指標

LD50が毒性の強さの指標となり、

その比であるLD50/ED50

薬の安全性を表す指標

(治療指数、または安全域)

とされています。

 

普段、薬局でお薬をもらうとき

そこに危険性を感じる人は

あまりいません。

 

まぁ、安全性を国が認めて

認可されているお薬なので

まず大丈夫なんですが。

 

ただ、あくまで

薬は薬であり、

同時に危険性もあります。

 

安易に当然のように

身体に入れることへの

違和感を持ってほしいな、と

個人的には思います。

 

薬に限ったことではありません。

普段、私たちが口にするものは

全て薬にも毒にも成り得るのです。

 

中国の思想「薬食同源」から

実は日本でつくられた造語

「医食同源」

 

日頃からバランスの取れた

美味しい食事をとることで

病気を予防し、治療しようとする考え方。

出典:Wikipedia

 

全てのことに言えることですが

何事も大切なのは

バランス(中庸)!!

 

ドーシャのバランス(文字有)

 

日常生活を送っていると

そのバランスを

崩すことが多々あります。

 

そんな時、

大きな影響を与える薬を

第一選択にする前に、

 

普段の食事で反対の質を与え

崩れたバランスを取り戻す

(=乱れたドーシャを鎮静させる)

アーユルヴェーダ的考え方..

キッチンファーマシー(台所薬局)

試してみるのはいかがでしょうか?

 

スパイス

 

本来、人間の身体には

バランスを取る働き

恒常性(ホメオスタシス)

存在しています。

 

その力を信じて、

少し手助けをするような

台所薬局的なアプローチ

私はオススメしたいと思います。

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大切なのは食べ物だけじゃない..人も情報もあなたが触れる全てのものが薬物&毒物に!

アーユルヴェーダの考え方で

面白いな..と思ったのは、

食べることだけでなく、

 

見るもの・触れるものなどの

五感を通じた情報や、

普段自分が接する人に関しても

注意を払いましょう

ということが

古典書に書かれていたことです。

 

五感を感じる各々の器官には

それぞれ正しい使い方があり

多すぎても少なすぎても

害を与えます。

 

また接する人は

自分の意識や人生に

影響を与えるので

 

サットヴァ(純粋性)

溢れた人との接触や

大我に目覚めた人に

仕えること

アーユルヴェーダでは勧めています。

 

 

これは脳の傾向や、

心理学から見ても

理にかなっているんですね。

 

食べるものが

身体の薬になるのであれば、

接する人や見聞きする情報は

心の薬に成り得ます。

 

逆にいうと

毒にもなるということです。

まとめ

このように、私たちは常に

身体や心に影響をあたえるものに囲まれ

影響を受けながら生きています。

 

また、逆に影響を与えながら

生きているのも事実です。

 

私たちの存在自身が

誰かの薬になることだってあります。

 

自分を作り上げているもの、

それは日々自分が選択して

取り入れているものです。

 

取り入れるもの、

少し時間をかけて良く見てみましょう。

それは、あなたの

身体・心・人生になっても

良いものですか?

 

より良い人生は

今日の自分の選択の連続で

作られていく

私は思います。

 

本日も最後までお読みいただき

ありがとうございました!